離婚問題の相談例
有責配偶者からの離婚請求。誠意を尽くして訴訟提起後,和解して離婚
Cさんのケース(男性40歳代)
Cさんは妻(主婦)と子ども3歳の3人暮らし。 妻とは子どもが生まれてから,なんとなくセックスレスになってしまっていました。 妻は,子どもにかかりきりであり,Cさんのことをかまってくれません。 そんな中,Cさんは同じ職場の女性と肉体関係をもってしまいました。そして,妻とはもうやっていけないと思うようになり,離婚を決意して別居しました。 Cさんは妻と離婚について話し合いましたが,妻からは「離婚に応じない」の一点張りで,話し合いらしい話し合いもできないままであったため,弁護士のもとを訪れました。
Cさんのように,不貞行為をしてしまうと,「有責配偶者」ということになってしまいます。 有責配偶者からの離婚請求は,そうでない場合と比べて厳しい条件でしか認められません。 これは裁判所が,身勝手な離婚は認めないとの立場をとっているからです。 そこで,弁護士としては,できるだけ誠意を尽くして,離婚について納得してもらうというアプローチになります。
この方針からCさんは,不貞関係にあった女性とは別れ,妻側には法律で定められた婚姻費用(生活費)を支払い,子どもへの面会交流をするなどしていきました。
このようなことを時間をかけて行った結果,離婚は訴訟にはなりましたが,最終的には和解で離婚することができました。 もっとも,その為には,1200万円ほどを慰謝料を含む解決金として支払わなければなりませんでしたが。
このように,有責配偶者からの離婚は,方針を立て,粘り強い折衝をしていくことが必要となる場合が多いです。 弁護士のアドバイスは不可欠といえますが,有責配偶者側からの相談には不慣れな方もいますので,経験のある弁護士へのご相談・ご依頼をお勧めします。