刑事事件の相談例
窃盗被害者と示談をして不起訴を勝ち取ったケース
Bさんのケース(女性30歳代)
あるとき,Bさんのご主人から弁護士に,「今日妻が勾留されてしまいました。至急相談に伺いたい」との電話が入りました。 お話しをお聞きしてみると,Bさんは以前勤務していた会社で会計をまかされ,会社のキャッシュカードを預かっており,ある日魔が差して,社長から頼まれてもいないのに50万円を引き出してしまったとのこと。 このような行為は窃盗罪になります。
Bさんには前科はなかったのものの,金額が決して少額とはいえないので,弁護士はBさんは逮捕だけでは済まず,勾留はやむを得ないもとの考えました。 そこで,被害者との示談を最優先することとしました。
Bさんのご主人から会社の連絡先を聞いた弁護士は,早速会社に連絡。この件は社長が取り扱っているとの情報を入手し,社長さんと会う段取りをつけました。 社長さんは忙しく,午後9時にようやくアポイントを取り付けることができたのです。
弁護士はスケジュールを切り詰めて,午後9時に社長宅を訪問。Bさんになり代わって交渉を進めました。 社長さんからは,「被害を弁償してくれればいい。今までBさんに連絡を取ろうとしても無視されるばかりで,会社も一ヶ月前に勝手に辞められてしまったんで,誠意がないことから警察に届けた」とのことでした。 弁護士は,Bさんのご主人も謝罪にきたいと言っているが,今日はとりあえず弁護士だけで来た。次回,Bさんのご主人を連れてきていいかと謝罪の意思を伝えたところ,社長さんは「私も忙しいし,そこまでは結構ですよ。ご主人にはよろしく言っておいて下さい」と言っていただけました。
その後,無事会社とは示談ができ,被害弁償ができましたので,この経緯を弁護士は報告書にまとめて,検察官に提出。検察官は示談ができているならということで,Bさんは釈放となり,刑事事件としては処分はありませんでした(起訴猶予)。
このように,Bさんは逮捕・勾留はされましたが,最小限の身体拘束で済み,刑事処分も受けずに済みました。被害者が示談に応じてくれたことが大きかったとはいえ,弁護士の迅速な動きがこのような解決に導いたことは間違いありません。 ご家族,ご友人が逮捕された場合は,是非弁護士にご相談下さい。