刑事事件の相談例
妻に怪我を負わせて逮捕されるも,弁護士に依頼して勾留は免れ釈放されたケース
Aさんのケース(男性40歳代)
Aさんは奥さんと日ごろから口論が絶えませんでした。 普段は手を出さないAさんなのですが,あるとき妻からあまりにも口汚くののしられたので,カッとなって奥さんを突き飛ばしてしまったところ,奥さんは固い物にぶつかったらしく怪我を負ってしましました。 興奮冷めやらぬAさんは,悪かったとは思いながらも,謝ることもなく,その日以降は奥さんと口をきかない日々となりました。
ある日,朝いきなり警察がAさん宅を訪れ,Aさんを逮捕すると告げました。容疑はAさんが奥さんに傷害を負わせたという傷害罪。 Aさんは会社に行こうと準備していたのですが,会社には行けず,警察の留置場に拘束されてしまいました。
このまま警察に留置され続けるのでは,Aさんは会社での仕事も失いかねません。 Aさんのことを心配したお兄さんが弁護士を手配し,Aさんと面会しました。
Aさんは傷害の事実は認めていました。 そこで弁護士は,
①Aさんは実家に身を寄せ,妻とは別居すること,連絡も直接はとらないこと。
②勾留を阻止すること
という方針を立て,①については誓約書を作成し,Aさんに署名を求めました。 その誓約書をもとに,逮捕後の留置(2日以内)だけでAさんを釈放するように意見書を作成し,検察官と交渉しました。
意見書には,
- Aさんがこれまで真面目に会社勤めをしており,犯罪とは縁のない生活を送ってきた
- 本件で逮捕に引き続き勾留されれば,その職を失いかねない
- 奥さんに怪我を負わせてしまったことは事実であるが,暴行は1回で今回以外に暴行した事実はない
ということもアピールしました。
検察官からは勾留の請求はなく,Aさんは逮捕された日の翌日には釈放されました。
まだ,刑事事件が終わったわけではないのですが,Aさんが10日以上も身体を拘束され,仕事がなくなるという最悪の事態は免れることができました。
その後,Aさんは勾留されることなく,警察等からの事情聴取に応じ,最終的には罰金という処分となりました。
このように,真面目に働かれている方にとって,身体拘束されるというのは死活問題です。 釈放される為には,弁護士が迅速に動くことが必要になります。 逮捕されたなら大至急ご連絡下さい。 また,できれば逮捕される前から,それに備えてご相談いただければ,よりよい対応がとれるはずです。