【代表弁護士から】東金市と山部赤人
2016年03月28日(月曜日)
東金市の観光スポットに、「赤人塚」があります.
東金市観光協会のサイトにはこんな風に紹介されています。
”雄蛇ケ池に近い田んぼの真ん中に、万葉歌人として有名な山辺赤人の墓と伝えられる「赤人塚」があります。”
山部赤人は、
”田子の浦ゆうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける”
という歌で有名な奈良時代の歌人。
古代の方の墓というのは、何箇所もあったりしますので、東金市にあるものが史実としての墓なのかどうか・・・。その点については東金市観光協会も書いていません。ただ、
「山辺赤人の墓と伝えられる」という微妙な表現を用いているだけです。
実際、赤人の墓と伝わる五輪塔は奈良県宇陀市にもあります。
都(当時は奈良)で活躍していたのでしょうから、奈良県に墓がある方が自然なような気がしますが、では、東金市と関連がないのかというと、そうでもないのです。
赤人の氏は、「山部」と通常書かれますが、後世、「山邊(辺)」と表記されることもあるのです。この「山邊」というのは、今の東金市を含む古代の郡の名前です。
また、「上総国山辺郡の出身」という説は昔からあったようです。
これが「やまべ」という読みからの混同なのか、それとも実際に東金市辺りの出身であったのかは、史料もなくわからないようです。