【代表弁護士から】山武市にある松尾藩資料館を訪ねました
2016年03月16日(水曜日)
松尾藩資料館というものが、山武市松尾町に昨年秋にオープンしたと聞きました。
訪ねてみたかったもののなかなか機会がなく、のびのびになってしまっていましたが、ようやく訪れることができました。
千葉県は小藩に分かれておりまして、石高が15万石を超える藩はありませんでした(最も石高の多い藩が佐倉藩の12万石)。
松尾藩も小藩の一つとしてあったのかな、それにしてはあまり聞いたことがないが・・・と思いながら、資料館に赴きました。
同資料館は松尾IT保健福祉センター内にあります。
1階を探してみても、それらしいものが見当たりません。
1階はそれこそ普通の役所みたいです。
職員の方に伺ったら、2階に図書館があり、その一角が松尾藩資料館とのこと。
2階に上がってみますと、図書館の奥の方に資料館の区画がありました。
入館料は無料ですが、記帳をしてほしいと要請されます。
山武市内からなのか、別のところに住んでいるのかは良いとして、名前自体を書かせるのは珍しいというか、ここ最近では体験したことがありません。山武市歴史民俗資料館でも、同様に名前を求められましたので、これは山武市の資料館の特徴なのかもしれません。
さて、「藩」といえば、普通は江戸時代に存在したと誰もが思いますが、この松尾藩はなんと江戸時代には存在していない藩でした。それでは、いつあったのかというと、明治2年(1869年)から明治4年(1871年)までです。
そういえば、廃藩置県は明治4年(1871年)ですから、それまでは「藩」は存在していたのです。それにしても、たった2年ほどとは!
なぜ、江戸時代が終わってから、松尾町(今の山武市)に藩が成立したのかというと、江戸の徳川家が駿河国・遠江国・三河国に移ったので、それらの国にあった藩が他所にやられたからです。松尾藩は、遠江国掛川藩主であった太田家(太田道灌の子孫)が移封されてきました。
廃藩置県により、松尾藩は松尾県となり、その後木更津県を経て、千葉県に編入となりました。
松尾は長らく松尾町でしたが、2006年(平成18年)に、山武町、成東町、蓮沼村と合併して山武市となりました。現在住所は、「山武市松尾町五反田」のように、「松尾町」をいれますので、松尾町は名前としては残っています。
松尾藩は、このように幻の藩のように短い間のものだったのですが、町をあげて資料展示スペースを設けているのは、珍しいと思います。
是非お近くに立ち寄りの際は、行かれてみてはどうでしょうか。