【代表弁護士から】不動産の事件が減りましたね
2017年06月29日(木曜日)
私が弁護士としてのキャリアを始めたのは1995年なので、もう20年以上前のことです。事務所の案件としてあったからかもしれませんが、不動産が絡む訴訟というのが結構ありました。今は、そこまで多くありません。
裁判所では本日開廷される事件の一覧を見ることができますが、そのリストを眺めていても不動産の事件は多くはないので、減ったのは事実なのでしょう。不動産のことは以前に比べれば争いの種になりにくくなったといえるでしょう。
不動産に執着しなくなったともいえます。1995年当時は境界争いは珍しくありませんでした。境界争いをしている不動産の面積はそれほど大きくないので、弁護士費用のほうがこの不動産の面積よりも高く付くのでは・・・と思っていました。
不動産への執着が減ったということの現れが、空き家問題なのだと思います。年老いた親が借地に家を建てて住んでいるのだけれど、亡くなった後は誰も使わないから、どうやって借地権を返上したらよいのだというご質問もいただきます。
借地に建つ建物を利用するという意欲がなくなっています。管理するコストとかが面倒だから、それなら借地を返上して、底地権者に返して、底地権者の方で建物を処分してほしいという考えの方が勝つ時代です。
不動産の事件が減ってますから、若手弁護士は不動産の実務はあまり知りません。というより、そういう実務に触れ合う機会がない。不動産の事件よりも、家事事件、不貞の損害賠償請求訴訟というのが多くなれば、そうなるのもやむを得ません。
「時代」といってしまえば、それまでですが、10年、20年で随分変わるものだなと思います。今後10年でまた更に何かが変わるでしょう。変化についていける弁護士でありたいと願って日々精進です。