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【代表弁護士から】双方の主張が対立。裁判官はどう判断する?

2016年09月16日(金曜日)

ご依頼いただいているケースを見てますと、双方の主張が食い違うことが多いです。

例えば、離婚のケースですと、夫婦二人が同じことを経験しているはずなのに、一方がこうといえば、他方は違うという具合で、同じ夫婦が経験していることでも食い違うことが多々あります。

裁判官が法律上の判断をする前提として、まず事実を認定する必要があり、これを「事実認定」と言います。

民事事件とか家事事件とかですと、「事実認定」実はかなり大雑把です。というのは、裁判官は証拠によって事実を認定しなければならないことに法律上なっていまして、「証拠」というものの中には、一方当事者の「供述」というのも含まれているのですが、裁判官は、この「供述」というものをあんまり信用してくれません。
そうすると、実際は、夫から殴られて痛い思いをしたのに、妻は「夫に殴られた」、夫は「殴っていない」と供述が対立すると、診断書などの証拠が存在しないと裁判官は夫が殴ったという認定をしてくれない。つまり、裁判の上では、夫は殴っていないことになってしまうわけです。

では、どこまでの証拠があればよいのだという話しになってくるのですが、これがまた特に決まりというものがあるわけでもないことが多く、法律でも「裁判官は証拠を自分の思うままに自由に評価してよい」といっているくらいです(自由心証主義)。
もちろん裁判官もプロとして、それなりに理屈をつけて認定していくのですが、裁判官も全能の神ではありませんから、偏見もあれば間違いもあるわけでして、そういう間違いの多い裁判官に当たった日には、実際とは全く違う「事実」が認定されてしまう場合がありうることは、想像していただければお分かりになると思います。

人が生活をしていく上で、全てに証拠を残していくことは不可能です。
例えば、夫婦の生活を立証するのに、日記というのは有力なのですが、では、それを弁護士が日々つけているかというと大半の人はつけておりません。意識が高い(はずの)弁護士ですら、こんな感じですから、証拠を残すということがどれだけ大変なことなのか、お分かりいただけるかと思います。

裁判官に事実を認定させるには証拠が必要でも、証拠を集めるのはなかなか大変というのが、日々、弁護士が体験しているところなのです。

【スタッフ雑談】金沢旅行の思い出

2016年09月09日(金曜日)

先日夏休みをいただき、念願かなって、ペンディング状態だった金沢旅行がようやく実現しました。

というのは、今から十数年前、友人らと金沢旅行の計画をしたことがありました。往復のフライトと宿泊先だけを押さえ、あとは現地在住の友人を訪問などして、行きあたりばったりの気ままな旅になるはずでした。が、当日。
東京はいいお天気でしたが、金沢上空の天候が荒れており、着陸できない場合は引き返すという条件付きで羽田を飛び立ち、結果、天候が回復せずダイバート。私たちは羽田から、金沢上空をかすめて再び羽田へ舞い戻り、金沢への夢は断たれてしまったのでした。
その後、陸路で仙台へ向かうことにし、仙台旅行を楽しんだわけですが、それ以来、金沢とはご縁がなく、行けずじまいでおりました。これはこれでとても良い思い出ですが、金沢も北陸新幹線が開通していますし、あの頃から比べればだいぶ近くなりましたよね(もっとも、私にとってはものすごく遠い、行けそうで行けない所という印象のまま刻まれていますが)。

そんなわけで今回初めて金沢へ。見どころ満載のとても素敵な街でした。今度は冬に行ってみたいです。(S)

【代表弁護士から】DV保護命令事件の現状

2016年09月02日(金曜日)

DVに対して裁判所に保護命令申立てができるというのは、一般的にだいぶ知れ渡っているように思います。
平成20年代になると、年間で3000件を超える申立て件数があります。

申立てに対して、「却下」つまり、裁判所が申立てを認めない件数は年間150件程度なので、却下率は5%くらいということになります。これをみると、申立ては概ね認められるのかと思ってしまいますが、そうでもありません。「取下げ」が結構あるからです。「取下げ等」は年間500件程度あります。申立て件数の6分の1です。却下とあわせると650件となり、20%以上が認められないということになっています。そうだとすると見方が変わります。5分の1くらいは認められないこともあるんだなと。

裁判所のホームページをみると、「保護命令の申立ては容易にできる」「1件につき1000円の定額の手数料で申し立てることができます」と、どんどん申立てて下さいと言わんばかりの文章が並べたてられています。
そのこと自体は間違いではありません。早急に申し立てなければならない場合もあるでしょう。弁護士を探すよりは、申立てた方が早いというケースの方が多い場合もあるかと思います。

しかし、保護命令申立てを出しても、それで終わりというわけではありませんし(6ヶ月の接見禁止命令が原則)、申立てても却下ないし取下げに追い込まれることも5分の1程度あるわけです。
そういうリスクに備える為には、弁護士に早くから相談して、今後のことや却下等になった場合に備えて対策をとっておいた方がよいのです。

申立てがどんな場合に却下になるかということについて、ある裁判官はこう発言しています。

「暴力が本当にあったかどうか疑わしい事例がたまにある。医師の診断書や証拠の写真もなく、あざも残っていないし、相手方も暴行を認めていない。お互いの言い分を聞いても、やはり、暴力があったと認定するのが難しいという場合があり、そのような事例では申立てが却下されることがありうる(平成28年2月23日の千葉地裁委員会での裁判官の発言)。」

つまり、医師の診断書や写真という証拠がない、相手方も暴力を認めないケースでは、暴力を認定できないということです。
こういうケースは、それなりにあるのではないかと思いますし、それが20%程度申立てが認められないことに表れているのです。
裁判所ホームページの表向きの言葉だけをみるのは危険です。

【スタッフ雑談】山歩き

2016年08月26日(金曜日)

今年から8月11日は「山の日」。
友達に誘われて山へ行くようになり、もう随分と前に白馬岳に登ったことがあります。
白馬といえば大雪渓と高山植物の咲くお花畑。
アイゼンを装着し、落石等に注意しながら一歩一歩雪渓を登り、数時間かけて雪渓を登り終えると真っ青な空の下、たくさんの花々が出迎えてくれたのが今でも心に残っています。

この夏、山へ行きたくなり、再び白馬へ。
とは言っても、今回は本格的な登山ではなく、ゴンドラとリフトを乗り継ぎ標高2060mの八方池までトレッキング。
リフトに乗ると足もとの斜面にはオオバギボウシなどが咲いており、コース途中ではハクサンシャジン、タカネマツムシソウ、ミヤマホツツジ、シモツケソウ、クガイソウ、イブキジャコウソなどたくさんの花々が目を楽しませてくれました。
それら花々を愛でながら蛇紋岩のゴロゴロする道を登り、約1時間半で白馬三山を水面に映す八方池に到着。白馬岳、杓子岳、白馬槍ヶ岳は目の前にそびえ立ち、その姿は美しく、しばし時を忘れただただ見入ってしまいました。

天気にも恵まれ、久しぶりの山歩きで心は軽やか。
今度は紅葉の時期に行きたいなと思っています。
(R)

【代表弁護士から】法的手段(調停・裁判)をとるかどうか

2016年08月17日(水曜日)

裁判所にはできるだけ行きたくない、交渉で終わらせてほしいというご要望を多くいただきます。弁護士としてはこんな風に考えています。よくある会話をまとめてみました。

(依頼者)「離婚のことでもめているんですが、調停とかにはしたくないんです。できるだけ交渉で終わらせたいんですが可能でしょうか?」

(弁護士)「ご要望はわかりました。交渉で進めたいというご意向なのですね。ただ、調停を絶対にしないという考え方ですとデメリットもあるものですから、その点は知っておいていただきたいと思います。」

(依頼者)「交渉だけではうまくいかないのでしょうか?」

(弁護士)「お話しを伺っていると、相手の方はだいぶ頑固な方のようですね。当時者同士でもお話し合いはだいぶされてますが、途中から話しが堂々巡りになってしまっているようです。このような状況で弁護士が間に入った場合、交渉がうまくいくこともありますし、そうでない場合もあります。」

(依頼者)「交渉というのは、どんな風に進めていくのでしょうか?」

(弁護士)「会ってお話しするということは、ほとんどありません。面とむかって話していくと相手の方も感情的になって行くこともありますから、冷静な話し合いができないことがあります。また、やりとりも書面で残らないですから。手紙など文書でやりとりすることが多いです。」

(依頼者)「そうなんですね」

(弁護士)「交渉がうまくいくかどうかという点ですが、弁護士が法律上はこうなりますと言って、そうなんですね、わかりましたとなれば、交渉はスムースに進みます。昔ですと、そういうこともあったのですが、今はなかなか簡単には応じてくれない方も多いです。」

(依頼者)「なぜでしょうか?」

(弁護士)「法律というのは、明確に決まっているところもあるのですが、そうでない部分も沢山あるのです。割りと曖昧な部分もあって、解釈が分かれている、判例でも決まっていないということもあります。今はインターネットで検索すれば、そういうことも分かってしまいますから、そう簡単に弁護士のいうことも聞いてもらえません。」

(弁護士)「また、法律で明確に決まっていても、『そんなことできない』といわれることもあります。例えば、婚姻費用の請求は双方の年収でほぼ決まるのですが、それをもとに例えば10万円を請求したとしても、そんなにお金がない、といわれて拒否されるということもあります。
交渉で進めていこうと思っても、壁に突き当たってしまうことがあるのです。打開するには調停などの法的な手段を取っていく必要があるのですが、交渉しか選択肢がないとすると、壁に突き当たってしまうということになってしまうのです。
まずは交渉をしてみます。それでも、相手方が動かなければ、調停を申し立てることを考えていただくこともありますので、よろしくお願いします。」

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井川 夏実Natsumi Igawa

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