【スタッフ雑談】リンネ著「自然の体系」
2017年10月27日(金曜日)
千葉県立中央博物館で「きのこワンダーランド展」の第2期の展示が始まっています(12/27迄)。
今回は「フランス植物誌」「ポーレットの菌類図譜」「本草図譜」などの稀覯本を一挙に公開。生物画として細部まで精密に描かれているものや、デフォルメされて描かれているものなど、西洋や日本の美しいキノコ図譜を見ることができます。さらに南方熊楠の彩色菌類図譜も展示。熊楠の肉筆画も必見です。
また、今回の目玉展示はカール・フォン・リンネ著「自然の体系」の初版(1735年刊)。
体系的な分類法の考案や、動植物名を属名と種小名で表す二名法を確立するなどし、分類学の父と呼ばれているリンネ。
「自然の体系」は、地球上の自然物を植物界、動物界、鉱物界に分け、体系的に分類し著したもので、第12版までリンネ自身により改訂が重ねられ、第10版は動物の学名の基準ともなっています。
1735年に刊行された初版は世界に数十冊しか残っていないといわれ、千葉県立中央博物館ではそのうちの1冊を所蔵。その貴重な初版を期間限定(10/29~11/12、12/22~12/24)で特別公開。それ以外の期間は1907年の復刻版(11/14~11/23)、1960年の復刻版(11/24~12/21)を展示予定。
展示場所はきのこ展メイン会場の企画展示室ではなく、生物展示室の入り口。実物を目にすることのできる大変貴重な機会ですので、行かれる方はお見逃しなく。
(R)