【スタッフ雑談】キンラン
2017年05月26日(金曜日)
5月初旬、キンランが咲いているのを見かけました。
その場所は地形からして、昔は谷津田に面した雑木林だったと思われ、宅地開発された住宅地の中で僅かながらに残されたイヌシデ、コナラの斜面。
雑木林というには程遠く、広さは猫の額ほどですが、春はイヌシデやコナラの新緑も美しく、キンランの他にウラシマソウやホウチャクソウも見られ、秋はイグチやベニタケなどのキノコも発生するなど季節を感じさせてくれる場所です。
キンランについて調べてみると、その根はキノコの菌糸とともに菌根というものを形成し、光合成だけでなく、ある種類のキノコからも栄養を得ている植物であるということが研究からわかっているそうです。
そのキノコはベニタケ科やイボタケ科で、その仲間はコナラなどの樹木と共生関係にあり、樹木の根とキノコの菌糸は外生菌根という菌根を形成し、栄養のやり取りをしています。
ということは、樹木とキノコとキンランは、地中で菌根というものを形成することによってつながっている…。
足もとの目には見えないところで、樹木と草花と菌類が根と菌糸によってつながっている様を想像すると、世界がより広がったように感じました。
以前はごく普通に見られたキンラン。乱獲や環境の変化で減少し、現在は環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に掲載されています。
黄色の可憐な花を咲かせるキンラン。その姿を来年も見られることを願っています。
(R)