【スタッフ雑談】お茶のお稽古
2017年04月28日(金曜日)
お茶を習いはじめてかれこれ30年。
上野の東京国立博物館で行われている「茶の湯」展で、国宝や重要文化財の茶碗や茶入れなどを鑑賞しながら、習い始めた頃のことを思い出しました。
歩き方やお辞儀の仕方、襖の開け閉め、お茶を点てる所作の一部分ずつを繰り返す割稽古、その後、薄茶点前、濃茶手前と稽古していきますが、最初の頃は所作や手順を覚えるので精一杯。間違えずに流れるような所作でお茶を点てられるようになりたいとそればかり思っていました。
薄茶や濃茶の点前ができるようになった頃、外国のお客様にお茶を差し上げたいと友人に頼まれ、「できるよ」と安請け合いし、お茶室を借りてお茶を点てることに。
稽古でやっているようにお茶を点てればいいと思っていたのですが、お稽古は先生のご自宅で行っているので、稽古前に先生が炉や風炉の灰を整え、熾した炭を入れ、釜に湯をわかし、茶碗や茶入れなどの道具を取り合わせ、お稽古に伺った時にはお茶を点てるための準備が整った状態であったのだということに、この時、初めて気づきました。
友人の手伝いもあり、お客様にはお茶を差し上げることができましたが、普段のお稽古はほんの一部分で、先生がされていた準備や心遣いなどに思いが及ばず何もわかっていなかったことが恥ずかしく、いろいろと考え、気づかされた出来事でした。
美味しい和菓子が食べられると始めたお茶も気付けば30年。
いまだに至らないことが多く反省の日々ですが、お茶を通して多くのことを学んできたなと思いながら「茶の湯」展をあとにしました。
(R)