【代表弁護士から】「弁護士経済危機」(?)
2016年05月20日(金曜日)
弁護士というと、儲かる商売の典型のようにいわれておりましたが、最近では弁護士数が増えてきたこともあり、収入が減少している弁護士も増えてきております。
千葉県弁護士会では、これを「弁護士の経済危機」としており、平成27年度の会務方針として、弁護士の収入の激減に対処するための対応というものを行いました。
とこう書きますと、収入が減少している弁護士のために、弁護士会が仕事を取ってくるようなことをするのかと思われますが、そのようなものではく、
1 組織が縦割りになっているから、横断的な組織(「弁護士業務整備・拡充対策本部」)を立ち上げる
2 収入源の根本原因となっているのは、司法試験の合格者の数だから、これを制限するように求める
というものでした。
目標は弁護士の収入増という、収入が減っている弁護士は大喜びしそうなものなのですが、実際の政策は、組織を新たに作ることだったり、司法試験の合格者数という国の政策で決められるものに対して要請するというもんだったりして、竜頭蛇尾という感が拭えません。
弁護士の収入が減少しているというのであれば、高い会費(千葉県弁護士会の会費は月額で3万円)を引き下げれば良さそうなものですが、そのようなことには一切触れられていません。
弁護士というと、唯我独尊タイプ、自由な発想をするタイプのように思われるかもしれませんが、弁護士会という全会員が加入しなければならないような組織ともなると、硬直的な、かつ組織の論理を優先したものになりがちであることは、他のどこかの組織とも変わることがないようです。