【代表弁護士から】アルコール依存
2015年07月16日(木曜日)
ここ数年取り扱ったケースで気になったものとしては、アルコール依存関係のものがあります。
アルコール依存は、以前はアルコール中毒などと言われておりまして、「アル中」なんて言葉もありました。「アル中」は一日中酔っぱらっているような状態、酒を飲んでいないと手とかが震えるような印象を持っておられる方が少なくないのではないかと思いますが、そのような症状となるのはごく一部です。
アルコール依存症か否かをスクリーニングするテストとしては、新久里浜式アルコール症スクリーニングテストというようなものがあります。
久里浜というのは、久里浜医療センターのことでして、国立医療機関としては初のアルコール専門病棟を設置したことで知られる病院です。
このスクリーニングテストの中には、「酒を飲まないと寝つけないことが多いですか」という質問があります。寝つくためにアルコールを摂取するというのは普通じゃないかと思われる方もいるでしょうが、それが「酒を飲まないと寝つけない」というレベルになりますと、これはもう依存への第一歩というか、依存症の一つの症状とみてよいことになっているのです。
「眠れない」という症状は、色々なストレスなどからくることが多いわけでして、それらを解決していくことが根本的には必要です。もっとも、毎日毎日眠れない、寝つけないということは日々の生活に影響してくるので、これはまた別に対応していかなければなりません。もっともよいのは、心療内科や精神科を受診して薬を処方してもらうことなのですが、これが非常に心理的にハードルが高いことなのでしょう。
ただ、アルコールに逃避するのは問題の解決にならないばかりか、アルコール依存症という別の問題を引き起こしていくだけであり、全くおすすめできません。
かくいう私も眠れない日々があり、その為にあまり飲めもしないワインなどを飲んだこともありましたが、寝つくのに効果がないので止めました。あることをきっかけに精神科を受診し、睡眠の関係でも薬を処方してもらいましたら、それから安眠できるようになりました。
そんなことがありましたので、アルコール依存の問題には無関心ではいられないのですが、一筋縄では解決できない問題で、弁護士としても日々苦闘しているところです。