【スタッフ雑談】バンクス植物図譜
2015年01月30日(金曜日)
植物の特徴が正確に描かれ、さらに芸術性も兼ね備えた「植物画」というのを認識したのは、1991年に千葉の博物館で行われた「バンクス植物図譜展」でした。
バンクス植物図譜は、1768年から3年にわたるジェームズ・クックの第1回太平洋航海に、自然科学調査のリーダーとして同行したイギリス人のジョゼフ・バンクス(1743~1820)が、その成果を発表すべく出版を企画。採集した植物標本や現地で画家に描かせた水彩画やスケッチをもとに植物画が作製され、銅板が彫られましたが、様々な事情により当時は出版されず、バンクス没後の200年を経て、限定100部で出版された豪華な植物図譜(全35巻743点)です。
銅板はエングレービング法による凹版で、印刷は1枚の原版に多数の色を塗りこめ、一度に多色刷りする方法が用いられています。
現在、渋谷でその植物図譜の展示が開催されているとのことで、行ってきました。
全743点の中から120点ほどが展示され、20数年ぶりの銅版画をゆっくり鑑賞。中でも一番のお気に入りは「バンクシア・セラータ」。バンクスの名が冠されたブラシのような花をつける植物です。
乗船したエンデヴァー号の模型や、クックの航海の関連資料も展示され3月1日まで開催中です。
(R)